【日赤動画】パレスチナ・シリア難民支援取材




10月1日レバノンの首都ベイルート。空港を降りたのは、私と日赤広報の山川さんの二人。マッチョなアラブ人たちの突き刺さるような視線を強く感じながら、迎えの車で国際赤十字のあるメナへ。
今回取材したのは、日本赤十字社の中東地域代表部。担当の駐在員は、五十嵐さんと李さんと、日本から半年~一年の単位で赴任している医療チームのメンバー3名。在レバノン日本大使館の話では「レバノンにいる日本人は日赤さんとうちの職員ぐらい」とか。
たしかにアジア人含めて、観光客らしい人はみかけません。視線を感じる訳です。
向かうのはベイルート市内の数カ所にあるパレスチナ難民キャンプ。
車中ではセキュリティーの講義をみっちりと聞かされます。市内のいたるところにいる軍人や軍の施設の前ではカメラを見せない事。イスラエルの話だけでなく単語も口にしない。一人で歩かないなど。
レバノンはイスラエルとの戦争、シリア難民の流入や内戦、宗教・宗派、人種など、あらゆる勢力がかろうじてバランスをとっている状況だと、五十嵐さん。
キャンプの入り口などは、軍隊がいるために撮影は不可。
後日、国際赤十字の職員に同行する形でキャンプの絵を撮影。
1948年イスラエルの建国で、一時的避難として自宅に鍵をかけたまま祖国に戻れなくなったパレスチナの難民。
レバノンでは、およそ45万人が70年もの間、無国籍者として劣悪な環境のキャンプで暮らしています。
2006年のイスラエル軍の侵攻時のか内戦の跡か。壁のところどころにある銃弾の跡。
取材はその難民達の医療のよりどころである赤十字の関連病院。現地職員のスキルを上げるための日赤の職員による医療技術支援を取材しました。


「資材を送るだけでは、倉庫に眠ってしまう」
「一過性ではなく、自立をうながし長く残る支援を」
とは、医療チームの山田さん。
医療技術を教えるとはいえ、よそからやってきた医師の話を素直に聞けるんでしょうか。
これがちゃんと聞いてくれるんです。日赤の医療チームは、病院のースタッフとして、暇無く黙々と働いている。だからこそ素直に受け止めてくれるんです。
病院にやってくる患者さんは、日本とは違って、家族や友人、兄弟などとにかく大勢でやってきます。時には、おとなりさんが肩を担いで運んできたり。
皆聞くと「あたりまえだろう。日本人は心配しないのか?」と返ってきます。
2歳くらいの娘を抱える母子。
泣き声。
苦労して工面したと思われるいくつもの紙袋に入ったお金。
そんな光景に胸が締め付けられる一方で、一生懸命に生きる人たちへの憧憬もあふれています。
そのほか、北部トリポリでの小学校への支援。シリア国境沿いの町でのシリア難民への支援を取材しています。
YouTube【日本赤十字社】パレスチナ・シリア難民への支援~レバノン中東地域代表部からの報告~
日本赤十字社の広報のお手伝い。医療現場や災害派遣の現場で社員と活動をともにして、もうすぐ2年。
災害があれば駆けつけ、今日は病院、明日は福祉施設と日赤の行く先に楽しいところはありません。笑
でもそうした場所には、人と人との繫がりの本質やこの世界の救いを見る気がします。
年間およそ10本のミニ・ドキュメンタリー
一年の総集編にまとめて、日赤のHPやYouTubeで発信しています。